屋根・外壁塗装業者選びの5つのポイント

Colorful paints and brushes on grey wooden desk background top view.
外壁

気づいたときにはもう遅い屋根・壁のトラブル

皆さんは、ご自分のお住まいの屋根や外壁に、何かトラブルがあると感じたことはありますか?

同じ一軒の住宅を取ってみても、毎日触れたり使ったりする設備とは異なり、屋根や外壁は“そこに在るだけで機能するもの”です。多少の汚れや劣化は「当然のこと」として、大きな出来事には感じられにくいものかもしれません。

でも、こうした屋根や外壁に修理が必要になった場合、皆さんは適切な業者を選ぶことができるでしょうか。実はこれ、なかなか難しい問題なのです。

そこで今回は、万が一の事態に陥ったときにも、慌てずにきちんと最適な業者を選ぶことができるよう、業者選びのためのポイントについてお話します。

 

知識がないコトは悪か!?

屋根・壁の修理や塗装に関するトラブル。実は意外と多く起こっているようです。独立行政法人国民生活センター発表『消費生活相談データベース』によると、住宅の「屋根工事」「壁工事」「塗装工事」をはじめとする「リフォーム工事」に関するトラブルのなかで、最多となっているのが訪問販売によるリフォーム工事です。突然来訪した業者から「外壁が傷んでいる」といった警告を受け、外壁・屋根工事を契約させられるというケースです。

こうしたトラブルの多くは、悪質な屋根・外壁施工が、消費者の知識不足に付け入ることで発生しています。

では、屋根・外壁の専門知識を持っていない多くの生活者が悪質な屋根・外壁施工会社の被害に合わないようにするためにはどうしたら良いのでしょう。

こうした疑問にお答えするため、『屋根・壁Hack』は、「悪質な施工業者被害に合わないめの5つのポイント」をご紹介しています。

どんなに申告で、緊急性がある場合でも、決して慌ててはいけません。まずは一度深呼吸して、この「5つのポイント」に留意した業者選定をしていただければと思います。

 

 

では、この5つのポイントについて少し詳しくご説明しましょう。

 

①「専門知識がない」を最良の物差しに。

専門知識がないことは弱点ではありません。わからないからこそ、その業者が正しく、わかりやすく説明するかどうかをしっかりと見極めましょう。ゴリ押し、力押し、「これは危ないですよ」など無闇に不安を煽るような業者は避けたほうが良いでしょう。

②資格を持ったプロが診断してくれるか

屋根なら「屋根診断士」や一・二級の建築士など。外壁なら「外壁診断士」や「外装劣化診断士」など。きちんと診断可能な資格を持ったプロが診断しているかは非常に重要なポイントです。これまでのケースでは、一応診断らしき行動はするものの、実は何の資格も持っていない「リフォーム会社の営業マン」や「塗装職人」であり、診断結果も素人が見てもわかることしか書いていない……といった事例も見受けられます。診断をしてもらう際には、必ず身分証・資格証の提示を受けることが重要なのです。

③きちんと調査・診断をしているかチェック!

屋根・外壁の塗装工事を正しく行うためには、屋根・外壁に対する徹底的な状況調査が不可欠です。劣化・破損状態をしっかりと診断しなければ、施工材料や見積もりを検討することは絶対にできません。もし、診断もせずに費用を提示してくるようなら、その業者はアヤシイと言えるかもしれません。

④診断結果を書面・画像等で提示するか

誠実な施工会社なら、診断結果をきちんと書面で提出します。また、最近ではより分かりやすさを追求するため、画像や動画を用いるケースも増えています。もし、診断結果を文書として提出せず、いきなり見積もりを突きつけてくるようなら……その業者はアヤシイと言えるかもしれません。

⑤必ずセカンドオピニオンを!

診断や見積もりをひとつの業者だけに依頼するのは大きな失敗の原因となります。必ず複数の業者に診断を依頼し、それぞれの診断結果や見積もりを比較するようにしましょう。たとえ、緊急性のある症状が見受けられるとしても、やはり2〜3社は依頼を行うほうが賢明です。

 

 

誠実さは正しい物差しの一つ

「自分には屋根・壁の知識がない」

これは、多くの場合、悪質な業者がつけ入るスキとなるポイントです。確かにそうした面は否定できません。しかし、実は皆さんの住まいや資産を悪質な業者から守る最良の物差し(判断基準)にもなりうるポイントなのです。

知識がないと言われると、一瞬「知識がないから適切な業者も選べない」と勘違いしてしまいそうになります。でも、そんなことはまったくありません。

どんなサービスでも、基本的には「プロではない生活者が聞いても分かるように説明する」ことが求められます。この誠実さを業者選定の物差しにしていくことは、非常に賢明だと考えられます。

また、自分たちに知識が無いからこそ、できるだけ多くの業者から見積をとり、比較することが重要になります。もちろん、屋根・壁の破損が大きいと「そんな悠長なことを言っていられるか!」と思われるかもしれません。でも、ここがガマンのしどころです。大きなトラブルを未然に防ぎ、安心して暮らせる住まいを守るためにも、業者はしっかりと見極めなければなりません。

 

 

「安い」だけで選ぶのは危険

同じ屋根・外壁のプロとして非常に心苦しいことですが、塗装施工を行う業者の中には、手抜き工事を行う業者や専門知識を持たないまま施工を行っている業者が少なくありません。そうした業者の中には「業界最安値!」などの広告文句を押し出し、「安さ」を強調してくるものも……。

確かに「安さ」は大きな魅力になるものです。でも、診断や検討を行う前から「業界最安値」を謳うような業者は、やはり警戒すべきかもしれません。

 

 

いかがでしょうか。

屋根や外壁は、皆さんの大切な不動産資産の一部であり、激しい風雨などから皆さんの幸せを守ってくれる重要な部分です。その重要な部分の施工なのに、十分な診断がないままに金額決定されていたり、非常に安価な施工見積もりになっているのは、やはり違和感があると言わざるを得ません。

もし、皆さんのお住まいの屋根・外壁に何らかの塗装や施工が必要になった際には、ぜひこの5項目を参考に業者選定を行っていただければと思います。